最初の患者さんが教えてくれたこと ~往診編~ 静岡市 鍼灸院
〜一人の出会いと別れが、私を変えた〜
往診を始めて3ヵ月。 なかなか結果が出ず、模索する日々が続いていました。
そんな中、一本のご連絡をいただきました。
それが、私にとって大きな転機となる、Kさんとの出会いでした。
Kさんは、脳梗塞の後遺症により歩行が困難となり、
腰や膝の痛みに長く悩まされている女性の方でした。
これまでマッサージを受けてこられたものの、 思うような改善が見られず、
初めて鍼灸治療を受ける決断をされたとのことでした。
私は、「自分にできることはすべてやろう」と決め、
一回一回の施術に全力で向き合いました。 少しずつ見えてきた変化 施術を重ねる中で、
少しずつ身体に変化が現れてきました。
特に腰の症状は改善し、 起床時の痛みが大きく軽減されました。
一方で、膝の痛みは残り、 思うように改善できない部分もありましたが、
「腰が楽になって、本当に助かっています」
そう言っていただけたことは、 今でも忘れられません。
Kさんは、私の施術を信頼してくださり、
地域の方々にたくさん紹介をしてくださいました。
開業したばかりで不安定だった私を気にかけ、 自ら声をかけてくださったのです。
そのおかげで、少しずつご縁が広がり、 往診件数も増え、
ようやく希望の光が見え始めました。
その矢先、Kさんが突然倒れ、 そのまま帰らぬ人となってしまいました。
前日も、いつものように往診に伺い、 会話を楽しんでいたばかりでした。
あまりにも突然の出来事に、 しばらく気持ちの整理がつきませんでした。
Kさんは、私にとって最初の患者さんであり、 多くのご縁をつないでくださった、
大切な存在でした。 「自分は何のためにこの仕事をしているのか」
そう自問する中で、 一つの答えにたどり着きました。
Kさんが紹介してくださった患者さん。
その一人ひとりに、しっかり向き合い、 喜んでいただくこと。
それこそが、Kさんへの恩返しになる。
そう思い、私は再び前を向きました。
Kさんがつないでくださったご縁の中に、 次に出会ったのが、Nさんでした。
このNさんとの出会いもまた、 私にとって大きな学びと成長のきっかけとなっていきます。