鍼灸治療について

鍼灸治療の作用

鍼灸

・痛みの緩和…鎮痛作用
鍼灸刺激によって、分泌されるホルモンが、痛みを抑える効果があり
また痛みを脳に伝える神経をブロックする働きがあるため痛みの緩和に有効です。

・内蔵機能の改善…反射作用
鍼灸刺激は自律神経に効果的に作用します。
自律神経は胃腸などの内臓や血圧のコントロールもしているため
自律神経のバランスが整うことによって内蔵機能の回復につながります。

・血液及びリンパ液循環の改善…誘導作用
鍼灸刺激によって血管が拡張することにより血液やリンパの流れが良くなり
痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出する作用があります。

・筋緊張の緩和…軸索反射
凝りや筋緊張の原因などは、血の流れが滞り血行不良によって慢性化して起こります
鍼灸刺激によって血液の流れを促進することにより筋緊張緩和に効果があります。

・免疫力の活性化…免疫作用
鍼灸刺激によって、白血球が増えることにより
生体防御機能が高まり、体全体の免疫機能を活性化させる働きがあります。
近年では、認知症予防・脳血管疾患にも効果があるとの報告症例や
鍼灸の研究が進んでいます

人間にはもともと「自然治癒力」が備わっています。
自然治癒力とは病気やケガを引き起こした際に、
「自分の力で病を癒し、治す自然の力」
何も手当をせずに自然と治癒する働きのことを言います。
鍼灸治療では、この自然治癒力を高める作用があります。

鍼刺激が、神経伝達回路を介して脳に伝わります。脳に刺激が伝わると、脳が鍼の刺激を受けた箇所を「治さなきゃ!!」と逆に指令が出ます。そのため、鍼をからだに刺すことで治そうとする働きが高まります。これがいわゆる自然治癒力を高めることに繋がります。
鍼灸治療を通して人間本来の機能(五感)を活性化する作用が本来の鍼灸治療のでないかと思います。マッサージや電気治療的な体表面を刺激する治療も大事ですが、体の根本を治すという観点からみたら鍼治療は有効であると思われます。

鍼灸院

鍼(はり)施術

きわめて細いステンレス製の鍼(長さ約40mm~80mm、太さ直径0.17mm~0.33mm)を経穴(ツボ)に刺入します。刺入方法は、主に管鍼法と言って円形の金属或いは合成樹脂製の筒を用いて無痛で刺入します。
体の特定の点(ツボ)を刺激する為に専用の鍼(はり)を用いて治療します
患者さん1人ひとり体質にあわせて鍼の長さ・太さを変えます
また、体に鍼を刺入せずに皮膚に接触させたり押圧させた施術もあります
鍼に電気を流したり、特殊な治療器具は一切使わず鍼と手技のみで治療します

灸(きゅう)施術

灸治療に使うもぐさは、よもぎの葉を乾燥させ、葉の裏側の絨毛を集めてつくられたものです。
よもぎは殺菌・消炎・保湿効果にすぐれ、止血剤としても用いられてきました。
艾(もぐさ)の大きさは直径にして1~3㎜です(米粒よりも小さい大きさになります)
艾を灸点紙という紙の上で燃やしますので直接肌に触れる部位が燃えることがありませんので
ご安心ください。
※症状によっては温熱刺激を与えて生じる生体反応を治療に
利用する際にお灸の熱さを感じることもあります。

鍼灸Q&A(よくある質問)


Q鍼による出血はありませんか?

A基本的にはございません
ただ、まれに血液が鬱血している部位や薬の影響、体の症状によっては
刺鍼後に内出血や点状の出血を伴う場合もあります。
しかし、そのような場合でも数日~1週間程で消失していきますのでご安心ください

Qどのくらいの頻度で通院すればよいのですか?

A治療効果に患者さんの体質や症状によって異なりますが
一度の治療で症状治まることもありますし、気長に続けることで治まっていく場合もあります
基本的には急性でしたら週2~3回、慢性ですと1~2週に1回程度になります。
患者さん自身の症状・状態、予定に合わせて日にちを決めております。
当院から日時を強制することはありません。

Q副作用はありませんか?

A副作用や習慣性のような症状は起きませんが
治療後、身体の治癒機能が促進されるため一時的に、だるくなったり、眠くなったり
ぼーっとすることがあります。これらは鍼灸治療をすることにより体が良くなろうとする反応で
鍼灸治療の効果が一時的に現れたもので悪い反応ではありませんのでご安心ください。

Q感染症の心配はありませんか?

A当院ではオートクレーブを用いて完全滅菌したステンレス鍼を使用しております。
オートクレーブとは高温、高圧の状態を作ることで、
病原菌を完全に滅菌することができる装置です。
なお、ディスポーザブル鍼(使い捨て鍼)もご用意しておりますので、ご希望の方はお申し付けください(別途、鍼代がかかります)。


Q養生として通院することは可能か?

Aもちろん健康管理・体調を整えるために可能です。
東洋医学には『未病治』という考え方があります。
病気ではないが「なんとなく調子が悪い…」といった症状が、知らず知らずのうちに
体からSOSのサインを発している場合があり、悪化して顕在化する前に治療して
体調を整えるといった考え方です。
こうしたSOSのサインの段階で治療をすることで未然に予防することができます。
また、検査では見つからない症状を治療することもできます。