メニエール病の鍼灸治療について

メニエール病とは?

耳鳴り」・「難聴」・「回転性のめまい」の3主徴とする反復する内耳疾患をいいます。

1861年にメニエールによって報告されました。
メニエール病は女性に多い疾患とされています。
30代~50代にかけてが、発症しやすい年齢となっています。
発症率は10万人に対して、約15~18人にといわれております。

メニエール病

 

耳は「外耳」・「中耳」・「内耳」の3つに分けられます。
されに内耳は
・蝸牛(かぎゅう)…聞こえに関与
・前庭(ぜんてい)…重心・直線運動の感覚に関与
・三半規管(さんはんかん)…回転運動の感覚に関与
に分けられそれぞれにリンパ液が入っています。

メニエール病は耳の鼓膜の奥にある「内耳」が原因で起こる病気です。
内耳の中にはリンパ液が満たされています。外リンパ液と内リンパ液が存在し、そのうち内リンパが流れる空間(内リンパ腔)のむくみ、水ぶくれ(内リンパ水腫)によってメニエール病が起こるとされています。体の平衡感覚を司る三半規管や聴力に関与する蝸牛の場所に内リンパ液が増加することにより血液循環が阻害され、めまい・難聴・耳鳴り・耳閉感を発症します。

しかし、内耳のむくみが起きる詳しい原因はわかっていません。
自律神経系の異常・アレルギー・塩分,水分の代謝障害・ウイルス感染等関与が有力とされていますが、内リンパ液が多くなってしまうことが原因だというところまでは、わかっています。
つまり内リンパ液が過剰になり過ぎてしまうことか、内リンパ液が吸収されにくくなることの
どちらかが原因ではないかと言われています。

内耳のリンパ液が過剰に溜まることで「内耳のむくみ」が生じ循環障害がおこりやすくなるため
平衡感覚・聴覚を司る感覚細胞にトラブルが起こり、めまい・耳鳴りなどの症状が生じると考えられています。

メニエール病の症状

ぐるぐる回るような「回転性のめまい」・「耳鳴り」・「難聴」が3徴候が主になります。

発症の仕方は個人差がありますが、一般的には下記の症状になります。

  • ・耳が詰まったような感じ(耳閉感)
  • ・耳鳴り(低い音)
  • ・聴力の低下(難聴)
  • ・めまい(良性発作性頭位めまい症)
  • ・吐き気
  • ・嘔吐

 

※激しい頭痛と嘔吐、手足のしびれ、目のかすみ、意識レベルの低下、内耳以外の神経症状が
出ている場合は、命の危険性を伴うこともあるため脳神経外科、内科、救急を受診が必要となる場合があります。

初期症状は、耳のふさがった感じ、ジージー・ブーブーという低い音の耳鳴り、軽い難聴から始まり
ある日突然、ぐるぐる回るめまい発作が起こり、心配となり病院へ受診されるケースが多いと思います。そして、メニエール病は一旦症状が治まったとしても、再発しやすいことが多く再発を繰り返していくうちに症状が悪化していき、特に聴力低下に関して低い音のみが聞こえにくくなるものの、進行すると高い音も聞き取りにくくなります。

メニエール病の鍼灸治療

東洋医学からみるメニエール病及びメニエール症候群の原因は一般的に下記の分類にわけられます

①肝陽の亢進による
情志の過剰やストレス、緊張が持続すると自律神経や感情の
バランス調節が不安定となり、血が頭頂部に向かって急激に逆乱することにより
いわゆる「頭に血が昇る」状態となり症状を発症します。

②痰濁による
暴飲暴食、飲食の不摂生、労倦、情志失調による
胃腸の消化・吸収機能の低下で起こる、異常な水分の貯留、停滞が起こり頭部の水(リンパ)の巡りが悪くなり症状を発症する

③気血不足による
胃腸の虚弱、睡眠不足、生活習慣の乱れ、また慢性疾患により気血を消耗することにより
気・血が不足し、頭部に巡る気血が足りなくなるため、脳にうまく栄養が回らないため症状を発症。

④腎精不足による
先天的による虚弱体質、栄養の吸収不良、房事過多、慢性疾患によって
「腎」は精を蔵し、精は髄を生む。
この場合の「髄」は脊髄に属し、脊髄は脳につながって脳髄となり頭は「髄の海」といわれ
髄が満たされておれば、脳は正常な活動を維持します。
腎精不足によって髄海(脳)が栄養されないため症状を発症します。

几帳面、生真面目、責任が強い、物事にたいして悩みやすい溜め込みやすい
生まれつきの性格の方が多い

精神的ストレス・胃腸の機能低下・過労・首,肩こり
などが合わさることで

(初期)耳がふさがる感じ,耳鳴り(低い音)

回転性めまい・耳鳴り・難聴の症状を発症

メニエール病

メニエール病の発症の誘因は、ひとり一人様々ですが多くの方に共通するのは
首、肩、耳周辺まわりの筋肉が異常に緊張しているケースを多くみます。
また、耳の後ろにある経穴(ツボ)が硬くなりやすい特徴もみられます。
首・肩・耳周囲の筋肉を和らげ、内耳への血流を良くすることで循環障害を改善し
内リンパ液の流れをよくするこで症状の改善につながります。
また心窩部(みぞおち周辺)が硬くなる、他覚的には張っている、自覚的にもむかむかして
痞えるというような症状や、お腹全体が硬くなったり、張るような症状を訴えることがあります。。

当院では、局所的な治療ではなく身体全体を診ることで病の根本を改善し
症状の改善、再発予防に取り組んでおります。