前回に引き続き今回も癌に対する鍼灸の役割を私自身の考えを話していきたいと思います。
まず、話を進める前に伝えたいことは鍼灸治療で「癌が小さくなる・癌が消える」などを
言う治療家がいますが私自身は極めて難しいと思います・
治療を進める段階で一過性に癌が小さくなったり、腫瘍マーカーの数値が下がったり落ち着く
ことがありますが、ある程度進行している癌に対して完治というのは
鍼灸治療では限界があるのではないかと、多くの患者さんを診て思うところです。
私自身も鍼(はり)・灸(きゅう)の力で癌が治ればと思い、日々戦っていますが
現実は厳しいですが、まだまだ己の未熟さが痛感するこの頃です。
話は脱線しましたが、完治まではいきませんんが、症状の緩和に関しては
一定の効果があると思われます。
★がん性疼痛の緩和
・腫瘍の浸潤や増大、転移などが原因となる痛みの緩和
・がん治療に伴って生じる痛みの緩和
★化学療法による副作用の軽減
・白血球数の減少軽減
・食欲不振,倦怠感の緩和
・嘔吐,吐気,便秘等の消火器症状の緩和
・浮腫みの改善
・手足のしびれ、痛み(末梢神経障害)を軽減
・肝機能低下の緩和
患者さんを治療する中で、軽減・緩和したのが上記の内容であります。
性別・年齢・体型・体質・体力・病因の強弱・環境によって
効果の表れ方は、人それぞれですが鍼灸治療が緩和医療に対して
まったく効果がないわけでなく、むしろプラスに作用することは間違いありません。
今後も緩和医療、癌治療の一つに鍼灸が何かしらお役にたてるよう精進あるのみです。