呼吸について#2

呼吸運動は我々生命にとって欠かせない働きであり
心身の健康に影響し、不安やストレス・姿勢の悪さが続くことで
”浅い呼吸”=”悪い呼吸”に繋がり
不調の悪循環に陥る可能性があります。

実際、日々の治療の中で呼吸が浅くなっている方が大変多くいます。
しかし、厄介なのが自覚症状がない方も多くいます。
呼吸が浅くなっても、命の別状がないため、患者さん自身が気にすることがなく生活し
気がつかない間に、病が進行し症状が出始めた時は治りづらい体になっているケースが多いと感じます。


呼吸筋とは
①横隔膜
②肋間筋及び胸壁の筋
③腹筋
④呼吸補助筋

呼吸運動に重要な役割を有する呼吸筋として横隔膜・肋間筋・腹筋である。
その内呼吸補助筋として(胸鎖乳突筋・斜角筋・僧帽筋・大小胸筋などがあります。
呼吸補助筋の中でも重要な役割を有するのは胸鎖乳突筋斜角筋になります。
近年の研究では、斜角筋は呼吸補助筋ではなく、呼吸の主要筋として考えられるようになってきております。

上記でお話をしましたが、肩こり・首こりを訴える患者さんの多くは
これらの筋肉が間違いなく硬くコリが生じています。
胸鎖乳突筋及び斜角筋は主に呼気・吸気のなかでも主吸気筋として作用します。

胸鎖乳突筋
頸の屈曲、左右の回旋、胸骨を上に引き上げ胸郭を増大させる
安静吸気時には関与しないものの、吸気時に負担がかかると働きが大きくなります。
胸鎖乳突筋単独な呼吸だけでも15~30分間持続可能であるため
かなり重要な役割をになっている筋肉だとわかります。

斜角筋
頸の屈曲、左右の回旋、第1、2肋骨を上に引き上げ上部胸郭を広げる作用を持つ
立位時、仰臥位で安静吸気時・努力性呼気や咳においても関与し、吸気筋としても働くため
呼吸補助筋ではなく呼吸の主要筋として分類されても間違いないと思われます。

肩こり・首こりを訴える患者さんの多くが呼吸補助筋のコリが強いことが多いです。
呼吸補助筋が硬くなり筋繊維が持つ本来の動きが鈍くなるため、呼吸筋としての活動が低下することに繋がり呼吸しにくい状態に陥り、呼吸が浅くなる流れが考えられます。

呼吸補助筋が硬くなる

筋繊維の本来持つ働きが鈍くなる

筋肉の柔軟性が失われ呼吸運動が低下する

呼吸が浅くなる

血液の流れが悪くなり更にコリが悪化する

精神的な乱れ・自律神経のバランスが崩れる

体の不調が発症する

一見、肩こり・首こりの症状の裏には呼吸と関係することが多く診られます。
次回は、呼吸とストレスの関係について話します。

2023年09月17日