パーキンソン病と鍼灸#2

パーキンソン病とは、脳内の黒質と呼ばれる部位に原因不明の変性が生じ
ドパミンの分泌が枯渇する病気です。
ドパミンの枯渇によってスムーズな運動が失われるため、安静時振戦・筋固縮・動作緩慢・姿勢反射障害などの運動障害がパーキンソン病の代表的な症状です。

その中でも、「安静時振戦」・「筋固縮」の症状をよく診ます。
安静時振戦…安静時に手指や脚などの一部がふるえてしまう病気
筋固縮…筋肉の緊張が亢進した状態で、筋肉を動かす際に抵抗が生じる

パーキンソン病によってドパミンが枯渇すると、スムーズな運動を行うために機能している
「錐体外路」と呼ばれる神経系が障害されます。
すると筋肉を上手に弛緩(リラックス)させることができなくなり、
筋緊張が亢進した状態が続き、動きがぎこちなくなっていき、それに伴い運動量も低下し
さらに筋肉がかたまってしまう悪循環と陥ります。

そもそも、このような状態になるのは普段の生活習慣が影響していると思われます。
人間は良くも悪くも、適応してしまう機能を持っているため緊張状態が長引けば
気がついた時には、悪循環の沼にはまっているのではないでしょうか?
逆に、悪循環の根本を治療していけば、症状の緩和・改善が見えるのではないか?
東洋医学的な考えで少し話をしていきたいと思います。

人間の心と体の連動・繋がりで考えていきたいです。

心の状態 体の反応 負担なる臓器
(東洋医学の思想)
緊張 手がふるえる
興奮 むしゃぶるい(体全体のふるえ)
恐れ 足がふるえる
精神不安
(血の不足)
足がつる・痙攣 脾(胃腸)

上記の内容は、簡単にあらわした表になります。
もう少し深く追求した内容は次回にお話したいと思います。
治療も簡単で、負担となる臓器に関係するツボ(経穴)ツボの流れ(経絡)を
治療すれば体がよくなるのではないかと考えられます。

一見、パーキンソン病の鍼灸治療は難しそうですが
患者さんの体を診て、悪い箇所を一つひとつ探して、治していく
病気を診るのではなく、人を診る
実に素晴らしい学問である。

2024年03月04日